ポストオフィス
ホーチミンの街はあか抜け、高層ビルがいくつか建てられていた。大通りは、バイクと車の群れが途絶えることがなかった。日本のゼネコンと共に鉄道の建設も始まっている。これは、交通渋滞と大気汚染の緩和の切り札になってくれるだろう。
ドンコイ通りのセントラル・ポスト・オフィス(中央郵便局)は、当時の面影を残しサイゴン大教会の横にたたずんでいる。中には木製の電話ボックス、文書き台があり、ノスタルジーを漂わせていた。
電子メール、インターネットで電話できる時代になり、郵便局の役割は少なくなったことだろう。昔は海外へ手紙、電話をする人々が主だったのに、今は歴史建造物を見学する観光名所へと移り変わった。郵便局の中央は、絵葉書や置物などのお土産を売るスペースになっている。
文書き台で記念に母国へ絵葉書を書く観光客たちを見て、ひとり旅をしていたころを思い出した。各国の中央郵便局で日本の友人に旅の近況報告のため、エアーメールを時々を送っていた。そして、友人からの返信は、これから行く国の中央郵便局宛に送ってもらうようにしていた。
異国で受け取るハガキは、嬉しかった。久しぶりに目にする手書きの日本語。あいつは今、こんな事しているんだと、自分が日本とつながりがあり日本人であることのアイデンティティに気付かせてくれた。中央郵便局の電話ボックスから電話をしたら友人は驚くだろな!と思いつつも、高い国際電話料金に踏みとどまらされていた。
スマートフォンもインターネットもなかったあの頃、海外では、絵葉書が大切な通信手段だったのだ。
旅の記念に妻が両親に絵葉書を書いた。娘が中央にハート、お互いに向かい合う亀のカップルの絵を書き添えた。
こんなもの食べてます
ベトナム風ビーフシチュー
ワンタン麵