夕日の屋台
チュンポン駅でバンコク往きの夜行電車を待つ間に、駅周辺の屋台で食事をした。屋台の店でダックラーメンを作るおじさんは、ぼくら家族に親しく接してくれた。
「以前、わたしの家に日本人が下宿してタイマッサージを勉強していたんだよ」
と、懐かしそうだった。その日本人の名前をフルネームで覚えていて、北海道に住んでいるんだと教えてくれた。
おじさんは、彼に手紙を書いて送った。しかし、彼からの返信は届かなかったと。
ぼくら家族が食事をしている間も途中、他の客の接待に行くがまた話かけに戻って来る。
昼に雨が降ってどんよりしていた空に夕焼けがほんのり顔をのぞかせた。