ディープアジアをゆく

バンコクのスワンナプーム空港までは、中心部から高速に乗って1時間はかかったろう。うんざりするバンコクの渋滞をやり過ごしてエアポートホテルにたどり着いた。空港から車で十数分のホテルは泊まるだけの設備で、離れのレストランは閉まっていた。

 

(今晩は夕食にありつけるのか?)

 

 

それでもホテルを出れば、すぐ隣にはビニールシートの屋根が辺り一帯に広がる市場だった。生きたカエル、ナマズ、手長エビ、茹でトウモロコシ、ココナッツ菓子など食料品だらけだ。夕暮れ前、地元の客が入り乱れ、まるで羽化したカゲロウが飛び交うようだ。夕食前の買い物で所狭しとごった返して活気に満ちていた。店主は客を次々にさばいた。

 

 

屋台でタイラーメン、タイ焼きそばを食べたが、明日帰国だと思うと屋台のカットされたスイカ、串刺しの焼き鳥、ココナッツシェークとあれこれ爆買いせずにはいられない。

 

 

ここには観光客なんているはずもない。この市場は地元の人が安くて買い出しにくる場所なんだろうから。ガイドブックにもインターネットにも紹介されていないだろう穴場。

 

ここには、本当のアジアがある。これこそがぼくが求めていた旅だ。