バンコクから成田へ
思いがけず成田空港に友人Sが迎えに来てくれていた。また彼の好意に甘えて車に乗せてもらい帰宅した。ありがとう。
久しぶりに見る日本、どんよりしている空、8月だというのに涼しい。
43日間の旅だった。出発前は長い時間を費やすのかな、と思っていた旅も、あっという間に帰国となった。
東南アジアの時間の流れは緩やかだった。島でビーチに海水浴に行く、宿に戻って子どもの昼寝をさせると一日が過ぎていくといった塩梅だ。
普段のせわしなさを離れて、ゆっくりする事を学ぶところでもあった。朝起きたら部屋の前の椅子にぼんやり座り、ヤシの木に目をやる。突然の激しいスコールでは止むまで軒下で雨宿りをする。それは時間が自由に使える旅人だからできたわけだ。
島から島へ船で渡ったりもした。船でしか行くことができないタオ島からも、時間の許す限りバス、寝台列車を乗り継いでバンコクに向かった。時間があるからこそ陸路による移動ができた。
何よりも子どもの体調にあわせ無理はしないようにした。移動日は目的地に到着すると、疲れをとるため何もしない日となった。何もしない贅沢な日とも言える。
そうしているうちに時間の流れがアジア時間に変わっていった。アジアの緩やかな時空間は、ぼくら家族を癒してくれた。そしてそれは、家族で同じ時をすごした宝物のような思い出になるだろう。
今でも南国の砂浜で娘と無邪気に戯れ、そしてヤシの木の木陰でその様子を見守る妻を思い出すと、なにかの映画のワンシーンのように思えてくる。
部屋にあるテレビは、もちろん現地語で、よくても英語。日本のニュースを見ても英語ではよくわからず、どこか遠い外国の話のように感じられた。それよりも今いる国で車が爆破されたテロ事件や、国境付近で洪水が起きて被害にあわれた人々がインタビューを受けていたことの方がより切実に実感がわいた。
今、こうして日本に戻ったがトリップから完全にスイッチがONになりきれてない自分がいるのかもしれない。
旅はいつかは終わる。そして帰ってこられる場所があるから旅なのかもしれない。
そして最後に旅先の宿で世話して下さった方、目的地への道を親切に教えてくれた方、日本から旅に送りだしてくれた周りの方、このサイトに興味をもって見に来てくれた方、関係する全ての方々に厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。感謝いたします。
また、今回のファミリージャーニーで書ききれなかった記事も今後、公開していきたいと思います。ご期待ください。